角田光代「対岸の彼女」
遅ればせながら、
角田光代さんの「対岸の彼女」を読みました。
専業主婦を脱し、仕事を始めた一児の母と、
2005年の直木賞受賞作品。
映像化もされ、ベストセラーにもなりましたが
未読でした。
その仕事先の経営者でもある独身の女性。
同い年の2人は、
性格も今いる環境もまるで違います。
「対岸の彼女」を互いに羨む話かと思ったら
全然違いました。
まず、構成が秀逸。
交互に語られるそれぞれの視点、
仕事を始めた母は現在進行形ですが、
「過去に新聞沙汰になった」経営者は
高校時代から物語が始まります。
「新聞沙汰」の事件に至るまでの彼女と
現在の彼女の姿。
その彼女の元で、
妻で母で嫁で、でも、その中の
何にも定義されない「自分」を探る女性。
そして、「現在」の話には出てこない
経営者の過去に深く関わる1人の少女。
その時々を懸命に生きる3人の姿が
切なく感動的でした。
後半の川でのシーンは涙、涙。
経営者父、祖母、母の気持ちで
若い彼女の幸せな未来を切望しました。
哀しみも過去も無かったことにはできず、
それを抱えながら迎えたラストも良かった。
20年前の作品。
良作は時代を超えますね。
角田先生、出版各位の方々、良い読書体験をいただけました。
ありがとうございましたm(_ _)m
義実家から出てきた昔のカメラ。
KONICA!
もうカメラ事業から撤退していますよね。
娘たちがフィルムを買って撮ってみると。
写るといいなぁ。
ここまでお付き合いくださった方、いつも来てくださる方もありがとうございましたm(_ _)m
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