読むのは辛いが読み終えねばと思う本
好きな読書ですが、
たまに読み進めるのが辛いと感じる本があります。
最近で言えば、直木賞をとった
一穂ミチ氏の「ツミデミック」。
コロナ禍で人生の歯車が狂ってしまった人々の物語。
読むのが辛く、
途中で挫折しかけました。
短編のうちの数編に救いがあり、
最後には少しホッとできました。
そして、先日、手にとった
西加奈子氏の「夜が明ける」。
これも辛い内容でした。
高校時代に知り合った2人の男性。
その出会いから、別れまで。
ともに親や縁者といった
セーフティネットから外れながらも、
それぞれの希望と期待をもって
社会へと漕ぎだしていきますが、、、
過酷な現場で、
希望だけでなく、心も体も追い詰められ
人生が詰まれていく様が
非常にリアルで苦しかったです。
こちらも「ツミデミック」同様
終わり方に救いはありましたが
課題は残ります。
読書はあくまでも自分の趣味で
楽しみのためのものです。
わざわざ辛い思いをして読まなくても
誰にも叱られません。
それでも、「ツミデミック」も「夜が明ける」も
途中で止めてはいけない、
なぜならば、
おそらくそこに自分の知らない、
自分が見ようとしていない
現代の日本社会があるから、
と思い、最後まで読みました。
読み手も苦しいですが、
書き手さんはもっと苦しいのでは。
苦しみながらも、書かずにはいられない。
そこに私たち読み手が受け取るべき
「何か」があるはず。
「ツミデミック」のコロナ禍とその後、
「夜が明ける」の過重労働と
セーフティネットを持たない若者たちの痛みと孤独。
本を閉じて終わりではない世界が、
今も日本にはある。
具体的に何ができるわけではありませんが、
何事も知ることから、とも思います。
重いテーマの本は、
気合がないと手にとれませんが、
これからも「あえて」選ぼうと思います。
娘B、秋の長瀞へ。
娘のアルバムより。
ここまでお付き合いくださった方、いつも来てくださる方もありがとうございましたm(_ _)m
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