Time is life

毎日笑って過ごします^^

柚木麻子「BUTTER」

まりん

柚木麻子さんの「BUTTER」

2024年に英訳、欧米で発売後、

大ヒットして英国で3冠を達成した、

という記事を読み、

心惹かれたので読んでみました^^



主人公はアラサーの雑誌記者。

両親の離婚から、父の死、

自身のキャリア、容姿、行く末と、

いろいろな意味で手詰まり感を抱えています。


そんな中、無二の親友の一言を足掛かりに

いままで誰も会えたことのなかった

独房の中にいる容疑者との面会に成功。


複数の富裕男性を篭絡し、

贅沢三昧の暮らしの果てに

男性たちを殺害した罪で逮捕された容疑者。


接見を重ねるうちに

けっして美しくはない彼女の磁力に

取り込まれはじめ、、、



事件の元ネタが木嶋佳苗事件のよう。



実際の事件と物語は別でしょうが、

小説の中では、


女性を蔑みながらも甘え、

口では綺麗事を言いながら

自分よりも優れていると露骨に忌避する

そんな男性たちへの怒りや違和感、


そんな彼らに

強く立ち向かえない自分への落胆、

埋められない孤独感や

社会への失望などが随所に出てきます。


欧米でフェミニズムの観点から称賛された

というのがよく分かる内容でした。



タイトルの「BUTTER」は、

食べる乳製品のバターのこと。


食も大きく関わってくる展開で、

それも生きるための食ではなく、

美味しさを求める「美食」の方。


でてくる数々の料理とともに

本の読みごたえも濃厚でパワフル。


主人公も30代でしたが、

これを書いたときの作者さんも30代。


若さとエネルギーの詰まった作品でした。





若い作者さんと比べたら、

60歳の私はこの葉っぱな感じかな。



こってりとした美食の数々、

読んでいるだけで

お腹いっぱい、胸いっぱい。

(;´∀`)


年とりました、、、。



ここまでお付き合いくださった方

ありがとうございましたm(_ _)m