大谷晶「ババヤガの夜」
日本人で初めて英国推理作家協会賞、
ダガー賞を受賞した作品ということで
読んでみました。
タイトルの「ババヤガ」とは、
スラヴ民話に登場するバーバ・ヤーガのことで
強力な魔力を持ち、
人に害をなす一方、
物語によっては味方にもなる魔女とのこと。
民話の魔女、
物語の中で「鬼婆」として語られます。
その「鬼婆」になりたかった主人公。
魔力こそないものの、暴力では男性以上。
鍛え上げられた心身を武器に
相手が強ければ強いほど奮い立つ、
という一匹狼の女傑。
その強さに目をつけられ
暴力団会長の一人娘を警護する羽目になり、、、
どこの書評を読んでも、
「暴力的」「バイオレンス」と出てきて
実は、読むかどうか迷いました。
痛いのも残酷なのも私の人生に欲しくない。
でも、歴代の日本ミステリー作家たちが
誰一人、獲れなかった賞を射止めた作品。
あまりにも悲惨だったら、
途中で止めればいいと思って手にとりました。
たしかに、全編、暴力に彩られていました。
凄惨な場面もありましたが、
読む手は止まりませんでした。
「暴力」が趣味という主人公ですが、
誰に対しても「暴力」をふるうわけではない。
相手にするのは、
ケンカを売ってくる輩だけ。
力で相手をねじ伏せようとする男たちを
驚異的な身体能力で倒していく様が
怖いけれどもカッコよく
一種の爽快ささえ感じさせました。
むちゃくちゃ強い魔女が
味方になって戦ってくれている、みたいな。
悲劇とは思いたくないラスト。
戦いぬいた2人の女性の物語でした。
読めてよかった。
王谷先生、受賞おめでとうございます。
10月6日、厚い雲が切れたひととき、
のぞいた中秋の名月。
ここまでお付き合いくださった方
ありがとうございましたm(_ _)m
10月6日、中秋の名月。
雲の厚かったこちら地方。
いっとき、雲が薄れて月がのぞきました^^