Time is life

毎日笑って過ごします^^

桐野夏生「日没」「燕は戻ってこない」

ムラゴン村のみかんさんの記事に触発され、
家に唯一あった桐野夏生さんの本を読みました。
桐野夏生の毒 - Time is life


ずっと第一線で活躍されている作家さんですが、
何冊か読んだ作品は「怖い」というよりも
「容赦ない」ものが多く、
積極的に手にとることのない作家さんでした。


家にあったのは短編集。
長編が読みたいと思い、図書館に行ってびっくり(^^;;;
作品数、すごっΣ(・ω・ノ)ノ!
でも、さすが人気の作家さん。
最近の作品はどれも貸し出されてありません。


昔のものよりも今でしょう!
ということで、みかんさんが読んでいらした
「燕は戻ってこない」と
ダリチョコさんが紹介していらした
「日没」を別ルートにてゲット。
読んでみました。


「燕は戻ってこない」
困窮する女性が代理母として契約し、
自らの体を「妊婦」として差し出す代わりに
報酬をもらうというお話でした。
妻でない女性の体を使ってでも
自分の遺伝子を残したい夫。
子を生めないまま老いていく自分に
言い知れぬ焦りを感じる妻。
最後の最後まで、誕生する子ともども
登場人物たちの運命がどう転ぶか分からないまま着地したラスト。
10年後、20年後の彼らの未来が気になります。
この作品、稲垣吾郎さんでドラマ化されるそう。
吾郎さん、サラブレットの夫役でしょうか。


「日没」
女性作家が、ある日突然、
「文化文芸倫理向上委員会」なる組織に呼び出され軟禁されるお話。
軟禁の理由は、
「社会に適応した小説」でないものを書いたため。
告発者は、「読者」いわゆる一般市民です。
一見、民主主義を装いながら、
軟禁先では「社会に適応した小説」を書くため
作文などの課題や面接があります。
抵抗者には、過酷な制裁が課せられる世界。
果たして、ここは本当に人権が保証されている国なのか。
出版にあたってラストを付け加えたそう。
追加された15行で、物語が更に戦慄するものに。
恐るべし、桐野夏生氏。
一度で消化できませんでした。
時間をおいてもう一度読んでみます。


桐野先生、以前読んだ時よりも、
「怒っている」と感じました。
社会にあふれる様々な理不尽、
虐げられる弱者や困窮者、
女性というだけで格差が生まれる社会。
気づかない人、
見ないふりしている人、
そして、声をあげずにいる人、
食い物にしている人。
「これでいいわけないだろうっ!!」
と憤られている気がしました。


実家の母が桐野先生の大ファン。
母に聞いたら「OUT」を勧めらました。
「やだ、読んでないの? もったいない」と。
次は「OUT」を読んでみます。



年賀状のお年玉くじ。
ようやく交換してきました^^
切手シートが1枚、当たっていました♡
最近の切手はシールで楽ちんですね。



ここまでお付き合いくださった方、いつも来てくださる方もありがとうございましたm(_ _)m