危機感
まだ娘たちが小中学生のとき。
一度は行こうと8月6日、
広島で開催された平和記念式典へ家族で
一般参列しました。
国連事務総長として
初めてパン・ギムン氏が参列された年で、
感動的なスピーチを聞くことができました。

そして、訪れた広島平和記念資料館。
私が十代で訪れたときよりも
立派な建物になっていました。
広さも空間も十分にあり、
記憶にある資料館とはまったく印象が違いました。
以前の資料館は、
あらゆるものが血と叫びと怒りと悲しみに引き裂かれ、
暴力的な生々しさに満ち満ちていました。
その時の印象が強烈すぎたのか、
はたまた私の感性が年齢とともに鈍ったのか。
新しい資料館からは、
身悶えするほどの痛みが感じられませんでした。
娘たちは十二分に衝撃を受けていましたが。
中村文則さんの「R帝国」。恐ろしい本でした。
架空の島国、R帝国。
その一都市が突然攻撃され、
戦争に突入するというのが物語の導入部です。
2017年に単行本が発売され、
2020年、文庫化になった折に購入。
積読にしていました。
2017年に読んでも、2020年に読んでも
今ほど恐ろしく感じなかったと思います。
でも、世界が戦火の緊張下に置かれた今は
心底恐ろしい。
この物語は明日の日本の姿に見えます。
このR帝国では、
「日本」という「架空」の国の話が
都市伝説のように語られています。
その都市伝説を嗤うR帝国の政府は、
表向きは国民や民意を守るパフォーマンスをしながら
裏では情報操作と工作を繰り返し、
民衆を犠牲にながら
自分たちの望む方向へ国を動かしていきます。
日本に、このような小説を書ける作家さんがいらして、
それが普通に出版され評価され誰でも読むことができる。
大事なことです。
広島、長崎に原爆が落とされてから77年。
子供たちに見せなければとか、
何か感じてもらわなければなどといった気負いなしに、
たとえば1人で静かに向き合ったら、
広島の資料館もまた違った印象で見られるのかも。
訪れた夏の日、焼けるような日差しの下で、
娘たちと千羽鶴を折りました。
私たちにできることはそのくらいでした。
今、広島の資料館で
十代の私が震えあがった苛烈な暴力。
同等の痛みと苦しみを受けている人たちがいます。
始まってしまった戦争は、
鶴を折って祈るだけでは止められません。
何をしたら良いのでしょう。
私に何ができるのでしょう。
明日の日本が、
R帝国のようになってしまったらどうしましょう。
情けないことに、焦るだけで何も浮かびません。
とりあえず、このブログをアップします。
長くなりました。
天候も不安定とか。
皆様、お気を付けくださいませ。
ここまでお付き合いいただいた方、
ありがとうございましたm(_ _)m