Time is life

毎日笑って過ごします^^

日本人のモラルは今?

先日書いた記事。
村上春樹「アンダーグラウンド」 - Time is life
地下鉄サリン事件を扱った村上春樹氏の本について書きました。


アンダーグラウンド (講談社文庫)
アンダーグラウンド (講談社文庫)
講談社
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30年近く前の事件。
1995年という時代の空気感を感じました。


証言された方の多くが地下鉄の職員、
通勤途中のサラリーマンやOLでした。


皆さん、何か異常なことが起こった、
と思いながら、どうにか仕事に行こうとする。
実際に不調を抱えたまま職場に行った方も
少なからずいらっしゃいました。


また通勤時間が長い方も多かったです。
1時間超が当たり前、という感じで、
1時間半、2時間かけている方も。


コロナ禍を経てもまだ朝の混雑は続いています。
今、インタビューをしたら?
通勤されている方の平均通勤時間や、
仕事へ向かう意欲は変化しているのでしょうか。


当時は、バブル経済がはじけ、
1999年の終末思想に染まっていました。


年明けには阪神淡路大震災があり、
日本の社会全体が混沌とした不安の中に
落ち込んでいた気がします。


そういう時代だったからこそ、
高学歴の若者たちが教団に惹きつけられ、
世界を自分たちの手で「正しい道」へ導く、
という大義に没入してしまった、
とみる方もいらっしゃいます。


でも、果たして、時代のせいだけでしょうか。


証言者の中に営団地下鉄の職員の方がいらして
事件を起こすような団体が生まれてきた
社会について言及されていました。


オウムみたいな人間たちが出てこざるを得なかった社会風土というものを、私は既に知っていたんです。
それはモラルの問題です。
駅にいると、人間の負の面、マイナスの面がほんとうによく見えるんです。
たとえば私たちが駅の掃除をしていると、今掃き終えたところにひょいとタバコやごみを捨てる人がいるんです。
他人の悪いところを見て自己主張する人が多すぎます。
(一部抜粋です)


説得力のある証言でした。
日本人のモラル、当時に比べて今は?
もっと低下していないでしょうか?


またこの事件は「防げた」とも言われています。
多くの事件を起こしていた教団が
サリンを製造していることを
警察も報道関係者も把握していたからです。


宗教の問題ではなく個々のモラルについても
国や組織の在り方についても
考えさせられた1冊となりました。



アルバムより。
横浜イングリッシュガーデンの薔薇。
薔薇まみれ、「横浜イングリッシュガーデン」 - Time is life


美しく咲く花。
平和な世界を祈ります。



ここまでお付き合いくださった方、いつも来てくださる方もありがとうございましたm(_ _)m