Time is life

毎日笑って過ごします^^

「もしも一年後、この世にいないとしたら。」

先日、戦時下の広島県呉市を舞台にした
「この世界の片隅に」を読みました。
こうの史代「この世界の片隅に」 - Time is life


主人公のすずが、強かった兄の戦死を聞き、
空襲も日常的になり、
明日はどうなるか分からないと思う中、
うちは心残りのないように
 暮らしとるじゃろうか
と呟くシーンがあります。


このセリフ、知っていると思いました。
健診で乳がんが見つかったとき
まさしく、私はすずと同じことを思いました。


私、心残りはない?


当時は、訪問介護の職場の正社員。
下の娘が中学生になったのを機に
友人の紹介もあり登録のヘルパーになりました。
しばらくして正社員の話が出て
試験を受けて正社員になりました。
やりがいのある仕事でしたが、
社員になったのは福利厚生とお金のためです。


娘たちの学費
住宅ローンの返済
生活費の補填
自分と家族が遊ぶお金
先々のための貯金


女子だけの職場は助け合いの精神にあふれ
雰囲気良く働けましたが、残業は必須。
休日出勤もありましたし、
何よりも1年365日、
担当のお客様の緊急連絡のために
スマホをオープンにする必要がありました。
遊んでいても、常にスマホを気にする日々。


その上、家事はワンオペ。
今、思うと、食事も毎日手作りしなくても良かったし
家族の腰が重くても何でも、
「洗濯、しといて」と言えば良かったのです。
それが、できないのが私。
人に頼むのが本当に苦手で。
つい1人で黙々とやってしまっていました。


細胞診していただいた「アヤシイ」ものが
「悪性でした」と告げられた時、
最初に思ったことは、
「これで休める」でした(^^;;;
その次に思ったことは、
「やっぱりね」。


自分でもむちゃくちゃ無理をしている、
と分かっていました。


そして、無理しながらしていることの大半は
自分が好きでやっていることではなく
義務としてやっていることばかり。


私、心残りはない?


胸に手を当てるまでもありません!
やばい(;´∀`)
心残り、ありすぎーっ!
と思い、仕事を辞めました。


先のことを考えると不安になりますが、
仕事を辞めてからの生活が
あまりにも心地良くて、


「先は先でどうにかなる。
 できる範囲の生活をすればいい。
 神様ご先祖様、今の時間を
 本当にありがとうございます」
と思って過ごしています。


本を読む時間もとれるようになって
小説だけでなく、病気関連の本も読みました。


今でも読み返すことがある1冊。
すずのセリフで思い出して読み直しました。


国立がん研究センター中央病院の
精神腫瘍医というがん専門の精神科医が書かれた本です。
話題になった本なのでご存じの方も多いかも。


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もしも一年後、この世にいないとしたら。 [ 清水研 ]
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人生100年時代。
多くの人は「死」はいつか来るけれど
今ではない、と思っています。
が、がん患者とその家族は、
それが、「いつか」ではない
「余命」として提示されます。
突如として、目の前に「死」が現れる。


精神的に打撃を受けた患者と家族を
診療していく中で、
常に自分の「死」を意識することで、
今日という「生」をかけがえのない時間として
生きられるのではないか、
と考え、書かれた生き方の指南書です。


すべては、タイトルのままです。
もしも一年後、この世にいないとしたら。
今、あなたは何をしますか?


私は、一年後どころか、
明日も分からない、と思って生きています。


患者さんの言葉として本書にも出てきました。
一日一生です。


皆様も素敵な今日を過ごせていますように。



道端で見かけたお花。
暑いのに健気に咲いていました^^



ここまでお付き合いくださった方、いつも来てくださる方もありがとうございましたm(_ _)m