Time is life

毎日笑って過ごします^^

永井紗耶子「木挽町のあだ討ち」

先日、葛藤? の末に購入した本。
そして、買ってしまう、、、 - 乳がん手術後の生活あれこれ
読みました。


木挽町のあだ討ち
木挽町のあだ討ち
新潮社
Digital Ebook Purchas



物語は、江戸時代の芝居町。
冬の晦日、衆人の目前で成就した若き侍による見事なあだ討ち。
その顛末を聞いて回る侍が現れ、あだ討ちの様子だけでなく、
目撃し証言した芝居小屋ゆかりの4人の男たちと1組の夫婦の半生にも立ち入ってくる、
という内容です。


6章に分かれたそれぞれに、「第1幕」「第2幕」、、、「終幕」とつけてあり、
各章、目撃者たちの証言で成り立っていますが、お芝居を観ているような気持ちで読みました。


個人ではどうにもできない生まれながらの不平等や境遇、
その中で往生する自分の想いやしがらみ、赤の他人から差し出される無償の情など。


名台詞だらけで、泣き通しました(;;)


私の父の実家が江戸時代まで遡ると商人だったそうです。
当時の話などを読むと、この芝居好きの血はご先祖様由来のもので、
私のご先祖様も芝居を観に行って泣いたり笑ったりしていたのかと思いをはせたりしていましたが、
一方で、身分制度が歴然とあった時代。
職業によっては「人以下」と蔑まれる社会でもあり、ご先祖様がその中をどう生き延びていたのか。


このあだ討ちを見た証言者たちも様々な事情を経て芝居小屋に流れつき、
それぞれの痛みと傷を胸に生きている途上で、あだ討ちを誓って郷里を出た若者に出会います。


身分に関係なく交わされる人としての情け。


良い本でした。読めて良かったです。
永井紗耶子先生、出版関係者の方々、ありがとうございましたm(_ _)m



両親が買ってくれた私のお雛様たち。
ガラスケースは二度の引っ越しでバラバラになってしまいました。
一回目は修理しましたが、二回目は「もう無くていいか」と(^^;;;
並びも適当で身分の高いお人形には叱られそう(^-^;;;
小道具もいつの間にか無くなったりしていますが、雛たちのお顔は綺麗なままです^^




ここまでお付き合いくださった方、いつも来てくださる方もありがとうございましたm(_ _)m