初めて読んだ、湊かなえさん「告白」
湊かなえさん、大人気作家さんですが、1冊も読んでいませんでした。
映像化された作品も全く拝見していません。
理由は彼女が、イヤミス(読後、イヤな気持ちになるミステリー)の女王と呼ばれているから。
時間とお金を使ってまでイヤな気持ちになりたくありません。
が、この度、読者デビュー致しました。
デビュー作「告白」を書いたときのエピソードを知ったからです。
「告白」の第一章「聖職者」は「小説推理新人賞」への応募作品だったそうです。
自分でも物語がどこへ向かうのかわからないまま、書いては読み、書いては読んでいるうちに主人公に同化。主人公とともに苦しみ、悲しみ、鼻血まで出して書き上げ、終えた瞬間に受賞を確信したという短編です。
受賞したものの、それ1編では本にならないため、更に書き足すことが必要で、書いては直し書いては直し、丸まる一章ボツにされては書き直し。
作品世界に入り込みすぎたため、書いている間に体調不良となり帯状疱疹にまでなったそう。
そこまで入魂して作り上げた作品。同じ時代に生まれてきて読まなくていいのか、私!
と思って、手に取った次第です。
- 告白 (双葉文庫)
- 双葉社
- Digital Ebook Purchas
6編の短編からなるこの作品は、すべてが登場人物たちの独白から成り立っています。
幼い愛娘を学校内で殺され、自分の手で殺人者たちに罰を与えようとする女教師。
その教え子である犯人AとB、Bの母親、彼らに関わる一同級生、それぞれの視点から事件の全容が明らかになっていきます。
全員が自分軸で他人を捉え、自分の欲望や気持ちを実現するために行動します。
でも、それはリアル世界の中でも普通にあることです。
人は全てでないにしても、自分を中心に考え、自分が良いと思った行動をとっていきます。
自分の考えと、所属する社会、テリトリー、家族、他人のためにどれだけ心を砕くことができるか。
人間性や社会性を自らに問いながら、または問われながら生きていると思います。
現実にもむごい事件が続いています。
本当に神がいて、因果応報が確実に成り立ったとしても、傷を受けた人たちの痛みや苦しみが消えてなくなるとは思えません。
イヤミス?
嫌な気持ちになるというよりも、人が自分の都合だけで動いたときにどのようなことが起きるのか考えさせてくれる作品でした。
さすがでした。湊先生m(_ _)m
他の作品も読んでみます。ただし、心身ともに元気でゆとりのある時に、、、( ̄▽ ̄)
お友達からいただいたチョコレートをじっと見つめるマスコットたち^^
撮影、娘B。よく見たら、全部ディズニーでしたΣ(・ω・ノ)ノ!
ここまでお付き合いくださった方、いつも来てくださる方もありがとうございましたm(_ _)m
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