Time is life

毎日笑って過ごします^^

欲があるから、人は事件を起こすのか

先日読んだ「告白」。初めて読んだ、湊かなえさん「告白」 - 乳がん手術後の生活あれこれ
読後、思い出した作品がありました。
ジェームス・ケイン氏著の「郵便配達は二度ベルを鳴らす」です。

郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫)
郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫)
新潮社


邦訳されること6回、映画や舞台にもなった作品で文学ともミステリーとも言われています。


私が持っていたのは田中西二郎氏の訳でした。平成13年版で54刷めです( ゚Д゚)
これが日本だけで他に5人が訳を出し刷を重ねているのですから凄いものです。


なぜ「告白」を読んで、これを思い出したのかは謎ですが、
おそらく登場人物たちの身勝手な欲望が事件を起こし、それぞれの思惑が交差することによって思いもよらないラストに続いていくのが似ていたのかな、と。


物語は、「オレ」が無銭飲食をしようと立ち寄った店の主人に声をかけられ、そこで雇われるところから始まります。
働くうちに、主人の妻と恋仲となり一緒に逃げようと誘いますが、無一文で放浪するような生活はしたくないと渋られ、やがて2人は主人を殺して店を自分たちのものにしようと計画する、、、。


読むと、この作品が「ミステリー」ではなく「文学」でも取り上げられる意味が良く分かります。
殺人を計画する2人は、殺意を抱きながらも迷い、恐れ、一時は相手を諦めようとさえします。
「オレ」を虜にした魅惑的な人妻も「ミステリー」であればもっと悪女に徹していたのではないかと思います。


ちなみにこの作品、郵便配達員がベルを鳴らすシーンはありません。
所説あるようですが、作者自身が出版に当たって決めたそうで、まったく内容に関係ないタイトルをつける人もいるのだなと驚きつつ、タイトルだけで色々と想像できるので人気の一端はタイトルにもあるのではと感心した覚えがあります。


ハッピーエンドではない皮肉なラスト。
欲望を捨てきれない人生はままならないことの積み重ねです。



娘Bの机周りにまた新たなマスコットが増えていました、、、。
若さ=所有欲? (^^;;;



人の欲には果てがないものなのでしょうか、、、。



ここまでお付き合いくださった方、いつも来てくださる方もありがとうございましたm(_ _)m