岩井圭也「竜血の山」
ある書評で
「読む手が止まらなかった冒険小説!」
とあったので、手にとりました。
北海道のイトムカ鉱山が舞台でした。
良質な水銀が採れる山の発見から
閉山までのおよそ30年。
架空の先住民
「水飲み」の視点で描かれた物語でした。
「水飲み」とは、
一般的に毒であるはずの水銀に対して
耐性を持つ一族という設定です。
異質な一族への差別。
国の発展や戦争での勝利のために
酷使される鉱山と働き手。
主人公である「水飲み」のアシヤ。
学もなく文字も読めず、強靭でもなく、
何かあると迷い悩って女に走ったりします。
およそ主人公らしくありませんが、
体制に翻弄される様子は、
当時鉱山で働いていた大多数の人々の
「史実」に近いのではないかと感じました。
初めての作者さんでしたが、
もう何作かご著書があるのですね。
北大ご出身、30代です。
お若い才能、嬉しいです^^
これからですね! 他のご本も読んでみます。
お散歩コースで見かけたカルガモの親子。
幸せな風景。
ここまでお読みくださった方、
ありがとうございましたm(_ _)m

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