Time is life

毎日笑って過ごします^^

「相棒」を手掛ける作者、渾身の力作「天上の葦」

先日、ブロガーのしゃんさんに背中を押していただき読んだ「幻夏」。
「相棒」のシナリオなども手掛ける太田愛先生の3部作の2作目でした。
お片付けと「幻夏」 - Time is life


シリーズ最終話でもある3作目の「天上の葦」、
本の帯に「全身鳥肌」と謳われていました。


気合を入れて読み始め、読み終わりました。


全身鳥肌?
立ちました。
それも、想像していたものとは違った意味での鳥肌が。


想像していたのは、話が面白すぎてスリル満点で立つ鳥肌でしたが、
実際は、もっと深刻な、これからの日本を思って恐怖する鳥肌でした。


天上の葦【上下 合本版】 (角川文庫)
天上の葦【上下 合本版】 (角川文庫)
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事件の発端は10月10日、秋晴れの渋谷スクランブル交差点。
信号が赤にかわり、歩行者のいなくなった交差点の真ん中で
スーツ姿の老人が晴れ上がった蒼穹の一点を指さし、絶命します。


死の直前、彼が指さしたのは何か?
それをつきとめたら、報酬1000万、期限は2週間という依頼が入り、
また一方で、公安の資料整理を担当していた警察官が行方不明に、、、。


3部作の1作目で大企業や政界、
2作目で警察や司法、


3作目で切り込むのは何だろうと思っていたところ、
「国」と「報道」でした。


戦争体験のある人々が複数出てきます。
日本が戦争へと傾き、足を踏み入れ、国民全員を巻き込んでいった時代。


劣勢になっても正しい戦況をひた隠しにして「優勢」と報じ続け、
他国が空襲に備えて都市部から女性や子供を避難させている時期に、
日本は退去を禁じ、逃げずに消火活動することを義務づける法案を決議。
真面目で無垢な国民の大多数は、政府や軍部が発表した、
「焼夷弾は布類、砂、水、火たたきで容易に消し止められる」
「手袋をはめて掴めば熱くもない」
を信じていた、と。


真実が市井の人々に届かない環境。
今は情報が届かない時代にはならないとは思いますが、
逆に、ネット環境が支配されれば情報操作することは容易にできます。


また、日本という国が、昭和の時代には国民の命よりも国家を優先したけれど、
平成、令和を経て、何よりも国民の命を大事にしてくれるようになった、
とは、残念ながら、私には言い切れないです。


常に小さな火から始まるのです。
そして、闘えるのは、火が小さいうちだけ。
大火となればもはやなす術はない。
もう誰にも、どうすることもできないのです


戦争体験者たちが自分たちの全てを賭けて発したメッセージ。


慄然としました。
「小さな火」に気づき、微力でも声を上げ、
常に真実を見極める気概を持っていたいと改めて思いました。


と、書いている今この時も、世界では戦時下にある国があります。
無くなってほしいです。


そして、令和もその先も、
日本から「小さな火」を世界に発信したり、
他国の「小さな火」に追従するようなことがないよう、
1人1人がしっかりしなければと思った次第です。


太田先生、関係各位の方々、力作をありがとうございましたm(_ _)m



川崎市、せせらぎ遊歩道の鴨たち。
暑くてもコガモはママにべったり^^
この平和な光景を子供たちの時代にも、、、。




ここまでお付き合いくださった方、いつも来てくださる方もありがとうございましたm(_ _)m