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毎日笑って過ごします^^

死別するということ 小池真理子「月夜の森の梟」

先日、ある方のブログで小池真理子さんの「月夜の森の梟」という本を知りました。
ブログにコメント欄が無かったのでお名前出すのを控えますが、ご紹介ありがとうございましたm(_ _)m


夫である同じ直木賞作家の藤田宜永氏を見送ったあとのエッセイ集とのこと。
ちょうど高齢になった両親たち、また病気が見つかった私と夫、
「夫婦のうち、どちらが先か」と考えることが増えてきており、
本に呼ばれた気がして読んでみました。


月夜の森の梟
月夜の森の梟
朝日新聞出版
Digital Ebook Purchas


子供は作らないと同意した上で事実婚に突入し、以来ずっと2人暮らし。
ともに作家で、それぞれの仕事場を敷地内に持ちながらずっと同じ家にいて、
お互い知らないことは何も無いと言えるくらいしゃべり続け、生活し続けてきた相手を喪う。
その喪失感の大きさに呆然とするようなエッセイでした。


慢性の肩こりがひどくなり理学療法を受けると、特に凝っている場所に触れられ、
「東洋医学では、哀しみとか寂しさは肋骨の奥にたまると」ためらいがちに言われる。
ふとした時に「これを教えてあげよう」と思った相手がいないことに気づく。
もう誰もお悔やみも言わない年月を経て、自分も明るく「ふつうに」人と接しながら、
心の内では夫がいた時間といない今の時間にずれを感じ続けている。


亡くなられた藤田氏が肺がんだったため、同じがん患者として胸の痛くなる記述もありました。


ある日突然、夫にくだされた末期がんの宣告で夫婦の生活は一変。
SNSと無縁だった妻は同じ病気の人たちを求めてブログやツイッターを漁り、
夫を見送った後は、逆に病気を乗り越えた人たちの話が辛く、そう思う自分を嫌悪したりします。


都会を離れ、人里離れた「森」の中に住まわれているとのことで、
時に癒され、時に悲哀を更に深める大自然の描写が美しかったです。


両親たちや自分たちの時はどうなるだろうと思いながら涙して読みました。


藤田宜永氏のご冥福をお祈り致します。



現、私の「かたわれ君」からホワイトデーのプレゼント。
私が病気発覚以来、大好きだった甘味などを自分では買わなくなったため何が良いか迷ったそう。
迷走のすえ、おそらく自分が食べたいものを選んだと思われます( ̄▽ ̄)
花より団子のオトコ、旦那君、ありがとう\(^o^)/ 



ここまでお付き合いくださった方、いつも来てくださる方もありがとうございましたm(_ _)m