Time is life

毎日笑って過ごします^^

手放せる本と手放せない本

本棚の本、整理中です。
読んだら手放す、と毎回腹をくくって読んでいますが、考えてみれば今まで読んだ本もほとんどがその時読んだきりでした。
本も一期一会ですね。


先日再読した鮎川哲也さんの「黒いトランク」
以前読んだときにはまったく気づかなかった注釈を見つけて驚きました。
犯人が手記の中で語った青年についての注釈です。





以前「黒いトランク」を読んだときの私は、北條民雄という作者名も知らなかったのでおそらくスルーし記憶にも残らなかったと思われます。


北條民雄さんの「いのちの初夜」、何年か前に娘Aの勧めで読みました。
無料の青空文庫で読めます。短編ですので、さほど時間をかけずに読めると思います。





ハンセン病(当時のライ病)を発病した主人公が同じ病の患者たちを収容する全生病院(現在の国立療養所多摩全生園)へ入院したその当日の様子を描いた私小説に近い作品です。


最初にこの作品を読んだ時は、これを「良かった」と勧める娘Aの感性(親バカ^^;;;)と、
発表を手助けした川端康成さんが、原題を「最初の一夜」から「いのちの初夜」に改めたと知り、そのタイトルの凄さに感動した印象の方が強く、、、こちらの方も読み返してみました。


当時は治す術のなかった病にかかり、その末路を同じ病気の入院患者たちに見て苦悩する若者に、入院して5年経つ先輩患者が病を受け入れた上で「人として生きる」とは何かを説く、、、。
息が詰まるほどの迫力です。


そして、再読してもやはり凄いと思う「いのちの初夜」というタイトル。
名を残す文豪の方の才能って、、、感服致します。



鮎川さんの「黒いトランク」、謎解きが大変クリアで面白いです。
が、トリックにはまったく関係ないラストに妙なリアリティを感じて取っておいた本だと再読して思い出しました。
今回もやはりニヤリとしてしまいました( ̄▽ ̄)


黒いトランク (創元推理文庫)
黒いトランク (創元推理文庫)
東京創元社


さて、「黒いトランク」はまた読みたくなったら図書館に走るかkindleで読みます!
鮎川先生、ごめんなさいm(_ _)m
ブックオフ経由でどなたかの手に渡るといいなぁ。


北條民雄さんのご本は、、、



娘Aの本なのです。日本文学専攻だったので、彼女の本の好みは大変渋いです。
化粧箱に入って、本体はパラフィン紙に包まれています。
昭和55年発売となっていました。
娘は古本で購入したと思いますが、当時で3000円したのですね( ゚Д゚) 立派なご本です。


、、、娘の本棚に返してきます。



ここまでお読みいただいた方、いつも来てくださる方、ありがとうございましたm(_ _)m