手放せる本と手放せない本
本棚の本、整理中です。
読んだら手放す、と
毎回腹をくくって読んでいますが、
考えてみれば今まで読んだ本も
ほとんどがその時読んだきりでした。
本も一期一会ですね。
先日再読した鮎川哲也さんの「黒いトランク」
以前読んだときには
まったく気づかなかった注釈を見つけて驚きました。
以前「黒いトランク」を読んだときは、
北條民雄という作者名を知らなかったので
記憶にも残らなかったと思われます。
北條民雄さんの「いのちの初夜」、
何年か前に娘Aの勧めで読みました。
無料の青空文庫で読めます。
ハンセン病(当時のライ病)を発病した
主人公が同じ病の患者たちを収容する
全生病院(現在の国立療養所多摩全生園)へ入院した
その日の様子を描いた作品です。
最初にこの作品を読んだ時は、
親バカですが、
これを「良かった」と勧める娘Aの感性と、
発表を手助けした川端康成さんが、
原題を「最初の一夜」から
「いのちの初夜」に改めたと知り、
そのタイトルの秀逸さに感動した印象の方が強く
こちらの方も読み返してみました。
当時は治す術のなかった病にかかり、
その末路を同じ病気の入院患者たちに見て知る。
入院して5年経つ先輩患者が
病を受け入れた上で
「人として生きる」とは何かを説く件は
息が詰まるほどの迫力です。
そして、再読してもやはり凄いと思う
「いのちの初夜」というタイトル。
名を残す文豪の方の才能。
感服致します。
鮎川さんの「黒いトランク」、
謎解きが大変クリアで面白いです。
が、トリックにはまったく関係ない
ラストに妙なリアリティを感じて
取っておいた本だと再読して思い出しました。
今回もやはりニヤリとしてしまいました。
「黒いトランク」はまた読みたくなったら
図書館に走るかkindleで読みます。
鮎川先生、ごめんなさいm(_ _)m
ブックオフ経由でどなたかの手に渡るといいなぁ。
北條民雄さんのご本は、、、
娘Aの本なのです。
日本文学専攻だったので、
彼女の本の好みは大変渋いです。
化粧箱に入って、本体はパラフィン紙に包まれています。
昭和55年発売。
娘は古本で購入したと思いますが、
当時で3000円の価格です!
立派なご本です。
、、、娘の本棚に返しました。


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